ボイラー(給湯器)の不完全燃焼とは|原因と対処法も紹介
ボイラー(給湯器)に関して注意すべき事故のひとつに「不完全燃焼」があります。不完全燃焼は大変危険性が高く、「不完全燃焼防止装置」が搭載されているボイラー・給湯器も多いです。そこでこの記事では、ボイラー(給湯器)の不完全燃焼とはどんな現象かや、不完全燃焼が起こる原因、起きてしまった時の対処法などについてまとめました。不完全燃焼について知っておきたい方はぜひチェックしてください。
この記事を読むための時間:3分
ボイラーの不完全燃焼とは
不完全燃焼とは、酸素不足の状態で燃焼すること。つまりボイラーにおける不完全燃焼とは、酸素が足りない状態で灯油やガスといった燃料が燃焼してしまう現象で、主に灯油ボイラー(石油給湯器)やガス給湯器で起こるものです。
給湯器が不完全燃焼すると毒性の高い一酸化炭素が発生します。一酸化炭素が一定の濃度になると1〜2時間で頭痛、嘔吐、呼吸障害、意識障害などの中毒症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあるため注意が必要です。
不完全燃焼が起こっているサイン
不完全燃焼時に発生する一酸化炭素は無色・無臭なので、不完全燃焼に気付かずに中毒症状が現れる場合も多いです。ここでは不完全燃焼が起こっている時に給湯器や部屋の中などに見られることがあるサインを紹介します。不完全燃焼が起こっているかどうか判断したい時の参考にしてください。
- 炎の色が青くない(黄色や赤色になっている)
- 黒い煙が出ている・ススが付着している
- 不快な臭いがする
- 目がしみる
- 使用中に火が消える・消えたことがある
- 排気ファンが回っていない(強制排気式の場合)
灯油ボイラーで不完全燃焼が起こる原因
続いて、ボイラーで不完全燃焼が起こる具体的な原因を紹介していきます。
ボイラーの経年劣化
不完全燃焼が起こる原因として最も多いのは経年劣化による不具合です。破損により水漏れが発生し、バーナー部分に水がかかったり水が配管を塞いでしまったりして、排気ガスが出なくなって不完全燃焼を起こすことがあります。ボイラーの耐用年数は約10年間と言われているため、10年近く使用しているボイラーは交換を検討するのもおすすめです。
熱交換器・バーナー・給排気口の詰まり
ボイラー内部の熱交換器やバーナーにゴミやホコリが溜まると、排気や給気がうまくできなくなり、不完全燃焼を起こすこともあります。また鳥やネズミなどの小動物が給排気口から入り込んで詰まるケースや、屋根から落ちた雪が給排気口を塞いでしまって給排気を妨げるケースも少なくありません。
増改築時のミス
増改築で塀や壁を作る時にボイラーを囲うように取り付けてしまうと、ボイラー周辺に排気がたまり酸素が取り込まれなくなって不完全燃焼を起こすこともあります。ボイラーの位置を考えて設計する必要があるでしょう。
不完全燃焼が起こった時の対処法
最後に、ボイラーで不完全燃焼が起こってしまった時の対処法を紹介していきます。
使用を中止する
不完全燃焼の可能性がある場合は、直ちにボイラーの使用を中止して再点火しないことが大切です。窓を開けて換気もしておきましょう。使用すると一酸化炭素が発生し、一酸化炭素中毒に繋がる恐れがあります。中には不完全燃焼防止機能によって再点火がロックされるボイラーもありますが、古いボイラーでは再点火できてしまうので注意が必要です。
点検・修理を依頼する
不完全燃焼の可能性がある場合は自分で修理しようとせず、メーカーや修理業者に連絡して点検・修理を依頼しましょう。その機会に新しいボイラーや安全装置のついたボイラーなどへの交換を検討するのもおすすめです。また室内にボイラーがある場合、屋外式のボイラーに変更するのもよいでしょう。排気が室内にたまらないので、不完全燃焼がおきても一酸化炭素中毒になる危険性が低くなります。
灯油ボイラーの不完全燃焼に注意しよう
灯油ボイラーの不完全燃焼について紹介しました。不完全燃焼時に発生する一酸化炭素は無色・無臭で気がつきにくく大変危険なので、経年劣化による不具合や給排気口の詰まりなどが見られれば早めに対処して、不完全燃焼を予防することが大切です。また不完全燃焼が発生してしまったら再点火せずに換気し、早めに業者に連絡しましょう。
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